緑化樹木の移植技術
剥皮(はくひ)のポイント
根鉢よりも外に出る根のうち、おおむね4cm以上の太い根は切断せずに環状剥皮を行います。
根鉢の外に出ている部分を鋭利な刃物で、15cmほど形成層まで削り取ります。
切り口の幹側の形成層にβ−インドール酪酸タルク剤などの発根促進剤を塗ります。
材部にはチオファネートメチルペースト剤あるいは木工用ボンドを塗ります。
剥皮部分の形成層はすべて取り除き、導管や仮導管のある材部には一切傷を付けないこと。剥皮部に形成層や、し部が少しでも残っていると、その部分に新たな樹皮が形成されてつながってしまい、剥皮の効果がなくなります。
また材部を傷つけると、水分と無機養分の通りが阻害されます。
畦シートで根鉢の底をぐるっと一巻きにします。シートと根鉢との間隔は20cm程度です。この隙間にバーク堆肥を詰め込みます。シートの幅は30cmなので、鉢の深さにより数段重ねます。
地表までバーク堆肥で埋め戻し、根鉢の表面にもバーク堆肥を敷き均します。
枝抜きのポイント
できるだけ良好な樹形を維持します。掘り下げながら、根の張り具合を見極めて、地上部と地下部のバランスを取りつつ枝抜きすることが大切です。
ただし、道路輸送して移植する場合、高さは3.8mが上限なので、広がっている枝はしおりをかけるか、樹種によってはこの範囲内に切り詰める必要があります。