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第10回 松枯れ防除実践講座のご報告 2日目(実習)
2日目は、森林総合研究所中北研究専門員より、「空中写真を活用した松枯れピンポイント防除法」の講演を受けた。
現状の被害木調査は、肉眼による探査(見落としがある)、ヘリによる空中探査(概要は把握できても個体情報は無理)、予算範囲内での処理作業(取りこぼしがある)の問題点がある。これを解決するため、被害林分を撮影した航空写真から要防除木の位置を判読し、得られた位置情報を約40cmの精度でGPSを内蔵した携帯端末を使って作業者を被害木へ誘導するしくみを解説。さらに3Dモニターによる立体視画像など最新の航測技術の特長、空中写真情報による境界線の確定など森林管理への応用について解説頂いた。
ポンチで剥皮した松脂滲出を確認する穴
画鋲で幹に留めたジップロックにドリルを使い
材片を採取
参加者による松脂滲出調査
この後、松保護士の松島さんによるアカマツの根に共生する外生菌根の採取・観察要領、外生菌根菌をマツ苗の根に感染させるための子実体懸濁液の作り方について説明が行われ、午前中の実習を終えた。
パソコンに接続した外生菌根を観察する
ファイバースコープ
外生菌根の状態
午後の部では、参加者は5つのグループに別れ、石原バイオサイエンス(株)による松枯れ予防の土壌灌注、ゾエティス・ジャパン(株)による松枯れ予防の樹幹注入処理、サンケイ化学(株)によるナラ枯れ予防の樹幹注入処理とマツノマダラカミキリ駆除の伐倒くん蒸処理、井筒屋化学産業(株)によるマツノマダラカミキリ駆除の天敵微生物製剤(ボーベリア菌シート)の実習の各実習メニューを約20分順番に受講した。
実習場所から再び講義室へ戻り、(株)ニッポンジーンによるマツ材線虫病診断キットの使用手順の解説を受けた。この後、今回実習にご協力いただいた資材メーカー4社から補足説明、資料提供を受けた。
松枯れ予防の土壌灌注
石原バイオサイエンス(株)
松枯れ予防の樹幹注入
ゾエティス・ジャパン(株)
マツノマダラカミキリ駆除の伐倒くん蒸/同右
ナラ枯れ予防の樹幹注入/サンケイ化学(株)
マツノマダラカミキリ駆除の天敵微生物製剤
(ボー
ベリア菌シート)の施用/井筒屋化学産業(株)
マツ材線虫病診断キットの使用手順
(株)ニッポンジーン
最後に、当センター小禄専務理事より閉会の挨拶を行った。松枯れ防除実践講座は、旧名称の「松林防除」から始まって今回で10回目を迎えた。全国の松枯れの実態に応じ、特長ある地区を対象に実施してきたが、長野県での開催は平成20年度の小諸市に続いて2回目となる。昨年から産学官の連携の下で効果的な講座となるように講座の内容を工夫している。今回の中北講師のユニークな航空写真の分析手法や本山講師の充実度を高めた理論など、現場の皆様に役立つものと確信している。今回の講座を契機に前向きな取り組みが動きだし、当センターとしても協力させていただく考えを述べ、2日間の講座全日程を盛況のうちに終了した。
本講座の運営に際しては、信州大学、中部森林管理局、長野県森づくり推進課に大変ご尽力をいただいたことに対し、改めて謝意を表する次第である。
松脂滲出調査、材片採取の実習
(岡田主任研究員による)