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平成21年度 講義風景<5>
菌根菌と樹木の健康
講師:岡部 宏秋(元森林総合研究所微生物生態研究室長)
はじめに
「菌根 (mycorrhiza)」とは、ラテン語のmyco-(菌)とギリシャ語の-rhiza(根)を組み合わせたもので、文字通りカビやキノコと植物の根との合体器官である。この器官を通して両生物が互いに利するはたらきがみられたことから、菌根という共生形態をもつ、といわれるようになった。この菌根という用語は、しばしば「菌根は、」とか、「菌根のはたらきは、」など、菌根を1器官としてではなく、あたかも1生物のように扱われる。もちろん菌根という生物はいない。しかし、菌根をみていると、生物相互に深く関わる姿がそこにある。
次いで、菌根の種類と構造、菌根菌の種類と特徴、菌根の成立、菌根菌の生態機能、菌根菌と物質の動態について解説。
樹木の虫害診断と対策
講師:牧野 俊一(森林総合研究所森林昆虫研究領域長)
実習現場で確認された虫害事例をもとに、樹木の被害微侯、原因を究明する、原因を確定する、原因の性質を知る、対策を考える、について解説。
樹木の病害診断と対策
講師:窪野 高徳(森林総合研究所森林微生物研究領域長)※H22の講師は田端雅進氏
病気の診断の第一歩は、樹木に現れた変調の内容と進展状況をよく観察することにある。病気の種類によって特有の病徴(色調や形態の変調)を示すからである。被害部につくられ、肉眼またはル−ペ(拡大鏡)で観察できる病原体の特徴を標徴といって、病徴と併せて病気の診断の大きな手がかりとなる。これら病徴と標徴の見分け方、防除対策、立地環境の改善と樹種の選択、伝染源の除去、薬剤防除について解説。
植栽基盤の調査・判定・整備工法
講師:長谷川 秀三(ジオグリーンテック(株)代表取締役)
土壌硬度試験、現場透水試験、検土杖による簡易土壌調査の実習、それらの結果にもとづく土壌不良要因と対策法について解説。