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緑化センターについて

緑のリサイクル技術

2)根株移植の試験植栽

(3)根株移植実証試験

根株掘取り標準断面図

根株掘取り標準断面図

 

【掘取り作業手順】

幹を切断後、ミニバックホーにて根鉢に損傷を与えない範囲で荒掘りし、根の状態を確認しながら人力で表面の土をどけ、始め垂直に掘り下げ、根が見えなくなってから底部に向かって丸みを付けて丁寧に掘り上げる。

根株移植対象木

大井ふ頭中央海浜公園なぎさの森の間伐対象木のうち、クスノキ、スダジイ、マテバシイ、モチノキ等の臨海部緑地でよく見られる常緑樹を主体とする23本。内訳は、常緑樹(幹回り29cm以下)6本、常緑樹(幹回り30cm〜56cm)16本、落葉樹(樹種:センダン、幹回り34cm)1本。

作業は、平成14年12月3日に間伐対象木切断、12月3日〜7日に中央防波堤内側埋立地において根株植栽工(午前:根株掘り取り、午後:植え付け)、12月8日〜10日根株保護工(マルチング)、後片付けの順に実施した。

平成15年5月頃まで、根の張り具合、萌芽の状況、周辺の草本との競合状況などを観察した。

臨海部埋立地で根株移植を行う意義

根株移植とは、樹木の幹を地表付近で切断し、幹の一部と地下の根茎とを掘り取り、目的の植栽場所に移動して植え付ける植栽手法である。一般的な樹木の植栽(移植)では、水分を消費する幹や枝葉が存在するため剪定等を行って、地中との水収支のバランスを保たなければならないことや、幹や枝葉の存在が移植の実施時期を限定するなど、多くの制約がある。

根株移植は、こうした制約を伴う幹の大部分と枝葉全体を取り除くことで、水分需要を軽減するとともに、移植実施適正期間の拡大や目的地への運搬及び施工性の向上が期待でき、これまで比較的環境条件の良い内陸の宅地造成工事等で実績がある。

しかし、根株移植には、初期段階において地表付近からの萌芽枝が雑草と競争関係にあるなどの課題もある。今回の実証試験では、地上1.2m付近で幹の切断を行い、移植後の課題に対しても検討を試みる。

埋立地など臨海部での緑化にあたっては、内陸地で育てられた苗木の植栽が一般的であるが、こうした苗木は育ってきた環境条件に適合する遺伝子を受け継いでいるため、臨海部の厳しい環境条件には合わずに枯死する場合がある。一方、臨海部における緑地は、港湾整備事業に基づく港湾緑地や企業緑地などを合わせると全国で約1,200箇所に及んでおり、維持管理のため密生した樹木の間伐が行われている。

このため、港湾における廃棄物海面処分場跡地の土地利用として計画されている面積規模の大きな緑地の整備にあたっては、コスト縮減や早期の植生形成などの観点から、周辺緑地の間伐対象木を活用した根株移植が有効な視点として考えられる。

さらに、切断した地上部の幹や枝葉はチップ状とし、堆肥化して、植生の成育基盤の改善などに有効利用することで「緑のリサイクル」を促進できる。

 

根株移植模式図

 

引用文献 国土交通省ホームページ:臨海部埋立地における「根株移植実証試験」の実施について:平成14年11月28日更新,平成23年2月28日参照
3)施工事例

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