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緑化センターについて

緑のリサイクル技術

 目 次

 

根株移植

1)根株移植による緑化の考え方

『根株の移植による緑化』をもとに、根株移植の概念、利点、工程、時期などを以下に示す。

根株とは、「切り株」、「伐り株」、「抜根」や「伐根」などと表現されることもあるが、樹木の伐採後に残された根を中心とした切り株のことを指す。この根株を利用した緑化として古くから行われてきたのが萌芽更新である。発生した根株からそのまま萌芽を待つ萌芽更新に対して、根株移植は、根株を掘り取り新たな場所に移植して萌芽を待つ方法である(図−1)。

 

萌芽更新と根株移植

図−1 萌芽更新と根株移植

根株移植の利点

一つは、成長が早いということ。根株にはそれ自体に養分が蓄えられているために萌芽枝が旺盛に成長する。苗木の植栽では成長が遅く下草に被圧されてしまう場合や切土法面のように土壌が固く苗木の生育が厳しい条件では特に有利である。

また、根株の移動距離は施工費用を減らすなどの理由で短くするため、苗木の植栽では懸念される地域の遺伝的な構成に影響を及ぼさないという点でも優れている。

更に、根株と一緒に周りに生育していた植物も移植されるため、在来の植物相の保全に役立つという副次的な効果もある。

根株移植の工程

工程は、1 伐採、2 掘り取り、3 運搬、4 (仮移植)、5 (再運搬)、6 本移植となる。仮移植と再運搬は、伐採、掘り取り後、直ぐに緑化予定地に移植できない場合に行う。伐採の際は、地際からとはせずに20〜30p程度、幹を残す。残す幹が長いと株が乾燥しやすく萌芽枝が枯死する一因となる。

移植する根株の大きさ

萌芽更新の場合、あまり樹齢が高くなると萌芽力が低下するとされている。試験場で調査した5箇所の結果を集計したところ、切り口の直径がヤナギ類では20〜30pを超えると活着率が30%未満に、ミズナラでは30cmを超えると10%に達しないなど、大きな株では移植成績が悪い例が認められている。

移植する時期

普通の移植では、樹木の成長が止まる休眠期から開芽前まで、特に雪融けから開芽前が移植適期とされている。根株移植ではヤナギ類が7月中旬までの移植は50%前後の活着率で、9月では10%未満となった。普通の移植よりも移植可能な期間は長いといえるが、植物の生活史に合わせた作業スケジュールを組むことが必要である(図−2)。


根株移植の施工時期

図−2 根株移植の施工時期

 

引用文献 石井弘之(2008):根株の移植による緑化:光珠内季報,No.151,9-13
根株移植の試験植栽

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