HOME > 工場緑化推進 > 工場緑化に関するアンケート調査結果
工場緑化に関するアンケート調査結果
はじめに
1974年に工場立地法が改正され、新設工場は敷地の20%に相当する緑地整備の義務づけがなされた。全国の工場立地動向調査(経済産業省)によれば、1989年以降は立地件数、立地面積とも減少を続け、2002年に増加に転じ、2009年には873件、1,346haの水準にある。当センターは、1982年「緑化優良工場等表彰制度」を創設し、これまで工場緑化に優秀な実績を上げた工場を表彰してきた。
企業の環境行動もステークホルダーから強い関心を呼び、企業は経営活動を展開する中で環境戦略を立案しなければならない時代を迎えている。
そこで、制度発足30年を次年度に控え、工場の緑地整備の現状と今後を改めて把握するとともに、環境戦略と緑地整備について企業の意向を把握するためアンケート調査を実施した。
調査対象と回答状況
当センターは2001年に「工場緑化推進に関するアンケート」を実施している。対象は、経済産業大臣賞・日本緑化センター会長賞を受賞した414工場で、回収205件、回収率49.5%、結果は「グリーン・エージ」2001年9月号に報告した。
今回は2回目の調査となり、2009年までに大臣賞・会長賞を受賞した659工場のうち、重複受賞および閉鎖・操業停止中の工場を除く508工場を対象とした。対象工場の業種別内訳は下図に示す。
調査は2009年12月〜2010年1月に実施し、回収202件、回収率39.8%。なお、アンケート調査のあらましは、「グリーン・エージ」2010年9月号に掲載している。
以下に設問毎の集計結果を示す。
アンケート調査回答工場の業種別内訳(202工場)
調査結果<表彰制度について>
※Q2〜Q5は平成13年以降に受賞された工場のみに質問。
Q2 | 経済産業大臣表彰、日本緑化センター会長表彰などの表彰制度の存在をどのようにして知ったか。 |
回答項目(回答数=74) |
件数 |
構成比 |
前回回答 |
増減 |
(1)役所から相談を受けて知った。 | 58 | 78.4% | 71.2% | 7.2 |
(2)協会等、業界の窓口で情報を得た。 | 4 | 5.4% | 16.6% | -11.2 |
(3)取引関係の会社から情報を得た。 | 5 | 6.8% | 3.4% | 3.4 |
(4)新聞、雑誌で知った。 | 1 | 1.4% | 3.4% | -2.0 |
(5)その他 | 6 | 8.1% | 8.8% | -0.7 |
Q3 | 推薦を受けることになったきっかけ。(該当項目2つ以内) |
回答項目(回答数=74) |
件数 |
構成比 |
前回回答 |
増減 |
(1)自他ともに認める緑地整備を実現している。 | 36 | 48.6% | 52.2% | -3.6 |
(2)過去の受賞工場の緑化状況視察。 | 3 | 4.1% | 8.3% | -4.2 |
(3)専門家の太鼓判。 | 4 | 5.4% | 2.0% | 3.4 |
(4)地域の模範工場として役所の強い勧め。 | 54 | 73.0% | 64.9% | 8.1 |
(5)造園・緑化関連雑誌を見たことから判断 | 0 | 0.0% | 2.9% | -2.9 |
(6)その他 | 6 | 8.1% | 4.4% | 3.7 |
Q4 | 受賞後のメリット。(該当項目3つ以内) |
回答項目(回答数=74) |
件数 |
構成比 |
前回回答 |
増減 |
(1)緑地等を管理する担当部局の地位が向上した。 | 5 | 6.8% | 9.3% | -2.5 |
(2)従業員全体の意識改革につながった。 | 27 | 36.5% | 41.5% | -5 |
(3)環境への取組みが対外的に著しく認められた。 | 37 | 50.0% | 49.8% | 0.2 |
(4)長引く不況の中で明るい話題ができ、士気高揚に効果があった。 | 8 | 10.8% | 7.8% | 3.0 |
(5)企業のイメージアップに有効であった。 | 62 | 83.8% | 74.1% | 9.7 |
(6)他社からの見学者が多くなった。 | 6 | 8.1% | 11.2% | -3.1 |
(7)近在の企業が刺激されて積極的な緑化を始めるようになった。 | 2 | 2.7% | 2.0% | 0.7 |
(8)地域社会との融和に役立った。 | 25 | 33.8% | 43.4% | -9.6 |
(9)その他 | 2 | 2.7% | 4.4% | -1.7 |
Q5 | 受賞後の諸課題。(該当項目1つ) |
回答項目(回答数=71) |
件数 |
構成比 |
前回回答 |
増減 |
(1)受賞したことにより、工場緑化は完成したとみなされ、新たな 取り組みへの意欲が多少低下している。 |
5 | 7.0% | 7.3% | -0.3 |
(2)模範工場として受賞時の管理水準を維持しなければならないが 、予算措置が厳しくなっている。 |
41 | 57.7% | 69.3% | -11.6 |
(3)草刈の清掃ボランティアなど、地域との交流において後戻りで きなくなり、従業員の負担になっている。 |
2 | 2.8% | 1.0% | 1.8 |
(4)その他 | 23 | 32.4% | 13.2% | 19.2 |
Q6 | 表彰のあり方について。(該当項目1つ) |
回答項目(回答数=201) |
件数 |
構成比 |
前回回答 |
増減 |
(1)表彰の種別は、現状の大臣賞と会長賞でよい。 | 121 | 60.2% | 51.7% | 8.5 |
(2)自然回復、地域コミュニティ向上、環境教育など各部門別に表 彰し、最優秀賞として工場緑化グランプリ賞を設ける。 |
44 | 21.8% | 22.9% | -1.1 |
(3)大企業部門と中小企業部門に区分し、各部門別に表彰する。 | 30 | 14.9% | 18.0% | -3.1 |
(4)その他 | 8 | 4.0% | 2.4% | 1.6 |
問7から問9は、受賞工場に関する情報発信、海外に立地する工場の受賞状況、表彰制度への意見・要望で、これらは今後の対応の中で改めて紹介する。