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第8回 松林防除実践講座のご報告2
2日目は、加賀海岸自然休養林(国有林)において、最初にクロマツ天然下種更新を進める上木試験地において、近畿中国森林管理局石川森林管理署武部次長より試験概要の説明を受けた。
次に、実習場所へ移動し、「潜在感染木」の有無確認のために重要な判断手法である小田式松脂滲出調査要領の説明を石川県農林総合研究センター林業試験場千木森林環境部長より受け、当年枯死木の周辺に生立するクロマツを参加者がポンチを使い樹皮を剥離した。
石川森林管理署武部次長
その後被害木を伐倒し、県林業試験場による材片採取、ベールマン漏斗への設置要領の説明を受けた。また、長さ1m程度に玉切りした丸太の後食痕・産卵痕、マダラカミキリ幼虫の観察を行った。参加者はグループに別れ、住化グリーン(株)による被害木のくん蒸処理、井筒屋化学産業(株)による天敵微生物製剤「バイオリサ・マダラ」(ボーベリア菌シート)の実習、石原バイオサイエンス(株)による土壌灌注の実習を行った。実習の終わりには、小田式松脂滲出調査で参加者が自分で穿孔した孔からの松脂滲出を調べ、健全木であることの様子を確認した後、保護剤による剥皮部分の補修を行い、加賀海岸自然休養林での実習を終了した。
被害木の伐倒
材片の採取
外生菌根菌の菌子束観察
くん蒸処理(協力:住化グリーン株式会社)
天敵微生物製剤の施用
(協力:井筒屋化学産業株式会社)
土壌灌注(協力:石原バイオサイエンス株式会社)
小田式松脂滲出調査
松脂の滲出状態
実習場所から再び加賀市市民会館へ移動、(株)ニッポンジーンによるマツ材線虫病診断キットの使用手順の解説、住化グリーン(株)によるナラ枯れ予防樹幹注入剤の使用手順の解説、県林業試験場によるマツノザイセンチュウの顕微鏡による確認実習を行った。さらに、今回ご協力いただいた資材メーカー4社から補足説明、資料提供を受けた。
マツ材線虫病診断キットの使用手順
(協力:株式会社ニッポンジーン)
ナラ枯れ予防樹幹注入剤の使用手順
(協力:住化グリーン株式会社)
最後に、当センター小禄常務理事より参加者の皆様へ講座修了証の交付を行い、2日間の講座全日程を盛況のうちに終了した。
本講座の運営に際しては、近畿中国森林管理局石川森林管理署、石川県農林総合研究センター林業試験場、加賀市に大変ご尽力をいただいたことに対し、改めて謝意を表する次第である。
クロマツ天然下種更新(上木試験地)