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「高田松原」再生植樹祭の報告
2018年4月22日(日)、岩手県陸前高田市の高田松原において、ブルー&グリーンプロジェクト高田松原再生支援活動イベント 2018年度「高田松原」再生植樹祭が開催された。
当日は晴天に恵まれ、市民、県内外参加者、関係者、事務局などおよそ200名が植樹祭に参集した。
9時30分、開催に先立ち東日本大震災で犠牲となった方々のご冥福をお祈りする黙祷が行われた。
NPO法人高田松原を守る会(以下、「守る会」)鈴木理事長より、
「東日本大震災から7年1か月となり、陸前高田市では一歩一歩復興が進められている。
当時、水面下にあったこの場所には新たに植栽基盤が造られ、昨年からマツ苗を植え始めている。
こうしてマツ苗を植えられるのは、皆様のご支援があるからこそと深く感謝している」との開会挨拶ののち、
主催者である(一財)ベターリビング 井上理事長より
「東日本大震災の大きなダメージから、こうして植樹できる状態になったことを大変嬉しく思う。
ブルー&グリーンプロジェクトは、ガスの青い炎でみどりの森をつくる、高効率省エネ型給湯器の普及にあわせた森の再生という社会貢献活動であり、ベトナムで10年間行ってきた。
そちらに比べると、竹簀を付ける、しかも一定の方向にという具合で、丁寧な作業に驚いた。
昨年植えた苗は2割程度枯れるのを見込んでいたが、数本しか枯れていないと聞いている。
これは試験植栽や竹簀づくりなどの積み重ねの成果であり、関係者の皆様に感謝申し上げたい。
松原の再生には50年かかるが、ある程度の大きさに育つことを楽しみに、本日の植樹を皆様と一緒に力を合わせて進めたい」と話された。
来賓挨拶に立った陸前高田市戸羽市長からは
「全国から陸前高田市の復興のために、高田松原の再生のために駆けつけてきていただいた皆様を、歓迎し感謝を申し上げる。
3日前、アメリカから帰ってきたが、これはカリフォルニア州クレセントシティ市との姉妹提携のためであり、震災により流出した高田高校水産科の実習船がクレセントシティ市に漂着し、現地の高校生らが募金活動を行い陸前高田市へ返還してくれたことが縁となった。クレセントシティ市にはレッドウッド(Sequia sempervirens)の巨木があり、市民の誇りとなっている。
陸前高田市民の誇りは高田松原であり、失った高田松原を再生することは市民の誇りを取り戻す歴史的活動といえる。今、誰かがやらないと、誇りを取り戻すことが始まらない。参加されている皆様には是非そのことを心にとどめていただきたい。本日は、どうぞ植樹を楽しみ、思い出をつくっていただきたい」と述べられた。
遠方から参加した山形県遊佐町・砂丘地砂防林防風対策協議会などの出席者紹介に続いて、苗木贈呈式が行われた。
プレゼンターとしてブルー&グリーンプロジェクトのイメージキャラクターを務めるタレントの谷 花音さんから陸前高田市の小学生小山琉歩さんへ、日本ガス体エネルギー普及促進協議会高松会長及び松坂副会長から戸羽市長及び鈴木理事長へ、植樹する2年生抵抗性クロマツ苗がそれぞれ手渡された。
この苗は大分県産の抵抗性クロマツ種子を山形県酒田市の北庄内森林組合で生産しているもの。
贈呈式終了後、守る会小山副理事長が全員の前で植樹の要領を実演してから、参加者は6班に分かれ、それぞれの植樹エリアでマツ苗植樹、施肥、竹簀の取り付け、灌水を約1時間かけて行った。

写真2 植樹風景
その後、参加者全員で集合写真を撮影したのち、植樹祭を終了した。
約150名の参加者の皆様は、それぞれの想いを胸に帰路についた。
今年度の高田松原再生植樹祭は、4月8日に第1回を実施、この後、5月13日に第3回、6月3日に第4回と続けて行い、合計300名以上の参加者等により約7,000m2の範囲に3,500本ほどのクロマツ苗を植樹して、2年目の植樹計画を完了する予定。
昨年の植樹エリアでは、雨水の浸透不良箇所が発生し、割竹を埋設することで排水不良を改善した。
原則として、松原での作業は関連工事が休みとなる日曜日に行うため、除草作業は、週末の降雨が重なり予定通り進められなかった。
その結果、今年の植栽エリアには、特にクローバーなどの雑草が繁茂しており、植樹祭のための準備に時間を要した。排水と除草の対策は2年目も重要な課題となる。
写真1 苗木贈呈式に参加した
谷花音さん(前列左)ほか6名の皆様