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価格情報<平成25年度版>
はじめに
この価格調査は、「建設物価」等で掲載していない緑化樹木、グラウンドカバープランツ(GCP)のうち、需要者ニーズの高いものについて情報提供し、需給の円滑化に資することをねらいとしている。
実施主体は、緑化樹木調達難易度判定会議(一般財団法人日本緑化センター・一般社団法人日本植木協会)で、全国の調査モニターによる市場価格調査結果をもとに、判定会議による確認にもとづき行うものである。
調査対象は、緑化樹木、GCPおよび庭園樹木とし、樹種の内訳は、表1に示すとおりである(調査結果の詳細は建設物価「未掲載樹種」を参照)。
表1 調査対象種の内訳
樹種群 | 樹種数 | 規格数 | ||
---|---|---|---|---|
緑化樹木 | 中高木 | 針葉樹 | 25 | 84 |
常緑広葉樹 | 22 | 76 | ||
落葉広葉樹 | 48 | 151 | ||
小計 | 95 | 311 | ||
低木 | 常緑広葉樹 | 12 | 21 | |
落葉広葉樹 | 16 | 20 | ||
小計 | 28 | 41 | ||
合計 | 123 | 352 | ||
GCP | ササ類 | 4 | 4 | |
木草本類 | 70 | 76 | ||
ツル性類 | 27 | 29 | ||
マット栽培 | 1 | 1 | ||
水湿生植物 | 6 | 6 | ||
合計 | 108 | 116 | ||
庭園樹木 | 造形 もの |
針葉樹 | 8 | 44 |
常緑広葉樹 | 11 | 47 | ||
落葉広葉樹 | 6 | 20 | ||
小計 | 25 | 111 | ||
台付株 立もの |
常緑広葉樹 | 4 | 13 | |
落葉広葉樹 | 2 | 10 | ||
小計 | 6 | 23 | ||
合計 | 31 | 134 | ||
北海道 | コンテナ栽培植物 | 90 | 96 |
緑化樹木をめぐる最近の動き
コンテナ栽培高中木について、2002年度から2012年度まで10年間の供給可能量の推移を検討する。
2012年度のコンテナ栽培高中木供給可能量は609万鉢、2002年度に比べ6割(60.7%)の水準となる。2006年度までは1,000〜800万鉢台を維持し、2010年度まで700万本台を推移していた(図1)。針葉樹(低木を含む)は2002年度145万本から2012年度175万本へ121.1%へ増加、常緑広葉樹は同じ期間485万本から287万本へ59.1%、また落葉広葉樹は同じく378万本から147万本へ39.8%の水準となっている。
供給可能量の鉢数階層別に樹種数を検討する。
2012年度の針葉樹の調査対象は43種、鉢数階層でみると1万鉢未満に区分されるものが最も多く24樹種、次いで1〜5万鉢に10樹種が含まれる。2002年度の調査は36樹種、鉢数階層別の傾向は同じである。
常緑広葉樹は2012年度54樹種、1万鉢未満に該当する19樹種、次いで1〜5万鉢に18樹種が含まれる。2002年度は50樹種のうち、1〜5万鉢に15樹種、1万鉢未満に14樹種が該当する。
また落葉広葉樹は2012年度72樹種、1万鉢未満に区分されるものが47樹種、次いで1〜5万本に18樹種が含まれる。2002年度は64樹種、1〜5万鉢29樹種、1万鉢未満20樹種となる。
コンテナ栽培高中木全体では、2012年度1万鉢未満の区分に53.3%、1〜5万鉢のクラスまで範囲を拡げるとおよそ8割(80.7%)の樹種が含まれる。2002年度に5万鉢未満までの樹種数構成比が7割(70.6%)であったことを考えると、供給力の水準が明らかに低下している。
1樹種当たり平均供給可能量を計算してみると、2002年度約6万7千鉢から、2012年度約3万6千鉢と5割強(53.6%)の水準へ減少している(表2)。
表2 コンテナ栽培による高中木樹種群別の本数階層別樹種数・鉢数の推移(単位:樹種数)
樹種群 区分 |
針葉樹 | 常緑広葉樹 | 落葉広葉樹 | 高木合計 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
02年度 | 12年度 | |||||||||
02年度 | 12年度 | 02年度 | 12年度 | 02年度 | 12年度 | 実数 | 構成比 | 実数 | 構成比 | |
1万鉢未満 | 16 | 24 | 14 | 19 | 20 | 47 | 50 | 33.3% | 90 | 53.3% |
1〜5万鉢 | 12 | 10 | 15 | 18 | 29 | 18 | 56 | 37.3% | 46 | 27.2% |
5〜10万鉢 | 6 | 3 | 10 | 8 | 3 | 2 | 19 | 12.7% | 13 | 7.7% |
10〜20万鉢 | 1 | 4 | 2 | 5 | 7 | 5 | 10 | 6.7% | 14 | 8.3% |
20〜40万鉢 | 0 | 1 | 5 | 4 | 4 | 0 | 9 | 6.0% | 5 | 3.0% |
40〜60万鉢 | 1 | 1 | 4 | 0 | 1 | 0 | 6 | 4.0% | 1 | 0.6% |
60〜120万鉢 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 0 | 0.0% |
樹種数計 | 36 | 43 | 50 | 54 | 64 | 72 | 150 | 100.0% | 169 | 100.0% |
鉢数計(万) | 1,448 | 1,753 | 4,853 | 2,866 | 3,783 | 1,471 | 10,083 | 6,091 | ||
平均鉢数 | 40,210 | 40,779 | 97,058 | 53,082 | 59,105 | 20,432 | 67,221 | 36,041 |
さらに、コンテナ栽培高中木の樹種別供給可能量の変動を検討する。2012年度の上位15樹種について、2002年度から10年間で供給可能量が減少したものを右向き点線矢印、増加したものを左向き実線矢印、同一数量階層の中での増減は■で示す。表3の表頭は数量階層区分を示し、右に向かい数量階層が小さくなる。
針葉樹は5樹種が同じ数量階層を維持している。7樹種が1ランク減少、1樹種が2ランク減少、カイヅカイブキは1ランク増加、Cham. pi. ‘フィリフェラ・オーレア’ は3ランク増加している。
常緑広葉樹は1樹種が同じ数量階層を維持、7樹種が1ランク減、3樹種が2ランク減、トキワマンサク、キンモクセイ、イチイガシは1ランク増を示している。
落葉広葉樹は、3樹種は同じ数量帯に止まり、7樹種は1ランク減少、5樹種は2ランク減少となる。
コンテナ栽培高中木45樹種の中で20万鉢以上の供給可能量を維持しているのはわずか6樹種である。
表3 コンテナ栽培高中木の上位15樹種の変動(2002→2012年度)
注:摘要の年次は当該樹種の調査開始年度を示す。
出典:「緑化樹木の供給可能量調査」(一財)日本緑化センター・(一社)日本植木協会