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マツの病気−枝・幹の病気

 皮目枝枯病
アカマツ皮目枝枯病
アカマツ皮目枝枯病
病枝上の菌体(子のう盤)

病枝上の菌体(子のう盤)

 春5月ころから幼・壮齢木の枝の針葉全体が赤褐変、まもなく水分を失ったように退色して枝枯症状をしめします。若木では幹に発生して全体が枯れることもあります。患部の針葉は、秋までにはすべて落葉します。枯枝の皮目上には褐色〜灰褐色、円状または盃状を呈し、多数の菌体が現われてきます。これらの菌体は降雨や多湿時には径2mmほどに膨らみ見分けやすいが、乾くと皺ができて小塊状にみえます。

 この病気もカビの仲間(子のう菌類の一種)によって起こされる伝染病で、患部に形成された菌体から胞子を飛散して伝染します。しかし病原性(病気を起こす力)はそれほど強くないようで、生育期の連続的な乾燥や冬期の低温・乾燥、台風による根の障害、樹勢の衰退などが誘因になって発生します。したがつて、庭木などでは施肥や灌水などを行って樹勢を強めることが必要です。


 こぶ病

アカマツ壮齢木のこぶ病
アカマツ壮齢木のこぶ病
ミズナラ葉裏の角状の菌体(冬胞子)

ミズナラ葉裏の角状の菌体(冬胞子)

 苗木から老木まで被害がみられます。枝や幹に大小様々のこぶができ、枝では患部から先が枯死して枝枯れ症状をしめし、樹体の衰弱、強風などで折損します。この病気はさび菌類の一種によって起こされる伝染病です。4月ごろ、患部のこぶの樹皮の割れ目に黄粉(病原菌のさび胞子)が形成されます。これが空中に飛散してナラ類、クヌギ、カシワなどの中間宿主の葉に感染し、まもなくこれらの葉の裏側に黄粉の塊(夏胞子)を形成しますが、夏を過ぎると黄粉は消失し、これに替わって黒褐色、角状物(冬胞子)ができてきます。この胞子は9〜10月に発芽して、松の幼茎に感染、侵入し、やがてこぶを作ります。

 苗畑や幼木では9〜10月に薬剤を散布しますが、中間宿主をできるだけ除去するとよいでしょう。


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