緑化樹木の移植技術
以下の内容は、過去に作成した「ビデオ 緑化樹木の移植技術」の資料編をもとに作成しています。
同内容のDVD版の概要はこちら(PDF)。現在はビデオ版もDVD版も取り扱っていません。
都市の緑は、私達に快適な環境をもたらします。最近では、地球の温暖化が世界的な関心を呼び、都市の気温が年々上昇する傾向にあります。このヒートアイランド現象を和らげることに、樹木は大きな役割を果たしています。
樹木は時間と共に大きく生長します。ボリューム調整のために、樹木を間引くことや、再開発などによる樹木の移動などの必要がでてきます。
樹木が刻んできた貴重な時間を止めることなく、引き続き健康な状態で生長を持続できるように、緑化樹木の移植技術が求められています。
移植作業は、根回し、掘取、運搬、植栽の大きく4つの工程に分けて進めます。
根回しは、樹木を移植する一、二年前こその周囲を掘って、側根の大きなものと主根とを残し、その他の根を切り、細根を発生させ、移植を容易にするために行うものです。
根回しは造園用語から、比喩的に、ある事を実現しやすいように、あらかじめ周囲の各方面に話をつけておくこと、の意味で広く定着した言葉です。
枝抜き → 発生木材処分 → 掘り下げ → 整根 → 鉢巻き → 埋戻し → 残土敷均し → 仮支柱取り付け
根回しを必要とする樹木
- 壮年期を過ぎた老木
- 相当の大木
- 新根の発生が不良な樹種
- 貴重樹で安全に活着を望むもの
- 移植しても活着不良といわれる名木
- 移植経験の浅い外来樹木
- 掘り取ったところ根の発育が不良な樹木
根回しをする鉢径の定め方
計算法 |
簡易法 |
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Aは定数で24、Nは根元径です。dは常緑樹の場合には4、落葉樹の場合5とします。 | 縄で根元を一周し、これを二つに折り、根元に沿って円を描いた範囲を鉢径とします。 落葉樹の場合は、根元周の3分の2を半径とする円が鉢径となります。 |
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※参考:造園ハンドブック(日本造園学会編,1978)、p.887
鉢の形状・林試移植法の技術ポイント