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ポスターセッション <株式会社 エコル>
γ線樹木腐朽診断機は、国土交通省国土技術政策総合研究所が開発した、樹木に傷を付けることなく樹幹断面の腐朽状況を高精度に把握することが可能な診断機器です。
<腐朽の検出原理>
・樹木腐朽による密度変化
樹幹の腐朽化(ソメイヨシノ) |
木材厚さと放射線透過量の関係 |
木材腐朽菌に感染した樹木は、菌により木材が分解されることにより、その進行過程においてスポンジのようになったり、最後には空洞化したりします。
→ 腐朽により、木材密度が低下します。
・放射線透過量の減少
放射線は木材を透過する際に、木材による吸収や散乱によって透過線量が減少します。この減少量は、木材の厚さや密度によって一定の変化をします。
→ 木材密度が一定である場合、木材が厚く(幹が太く)なるほど透過線量が小さくな
ります。
・木材腐朽の検出
測定する樹木が健全で密度が一定であると仮定した上で、樹幹の断面形状を測定して木材厚さを把握することにより、健全材の透過線量は予測することができます。
→ ここで「予測した透過線量」と「実測した透過線量」を比較して、実測した透過線量の方が大きくなっていれば、木材密度が低下(=腐朽)していることが推測できます。
<機器概要> |
樹幹径1.5m以下対応機 |
樹幹径60cm以下対応機 |
<操作>
パソコン上のプログラムで対話方式によって実行でき、現場で腐朽状況をディスプレイ上に表示するとともに保存が可能です。
- 樹幹を挟んで放射線源と放射線検出器が水平にスライドできるように駆動治具を設置し、モーターにより線源と検出器を同スピードで樹幹の端から端まで作動させます。
- この間の透過線量を設定した積算時間(5 〜 10 秒程度)毎にパソコンに取り込みグラフで表示させ、樹木が健全である場合の透過線量推定値(計算値)と比較を行い、これを明らかに超える透過線量が確認できた場合にはその範囲を把握します。
- これを樹幹に対して直交する2方向で行い、内部の腐朽状況を楕円形で推測してパソコン上に図化させ、同時に樹幹断面に対する腐朽率を計算して表示します。
<診断結果と腐朽断面の比較例>
ソメイヨシノ予測腐朽割合:34% 実腐朽割合:31% |
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ケヤキ予測腐朽割合:49% 実腐朽割合:48% |
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※上記の写真及び図は、国土技術政策総合研究所から提供していただきました。
株式会社 エコル
東京都港区高輪3−4−1 高輪偕成ビル8F
TEL 03-5791-2901 FAX 03-5791-2902 URL:http://www.ecol.biz/