平成18年講義イメージ
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−平成18年度「樹木と緑化の総合技術講座」テキストより一部抜粋−
 
  ■ 松枯れとマツ材線虫病のメカニズム 田畑 勝洋(岐阜県立森林文化アカデミー講師)
     
  マツノザイセンチュウがマツ樹体内に侵入して7日から10日程度の間にどのようないたずらをするのでしょうか?
 (1) 針によってマツの樹脂細胞や柔細胞内容物を食べる。
 (2) セルラーゼを分泌して細胞膜や形成層を破壊する。
 (3) ある種の菌類やバクテリアを伝播する。
 
     
マツノザイセンチュウ 発病枯死したマツの樹幹横断面
マツノザイセンチュウ
発病枯死したマツの樹幹横断面
 
   
  ■ 菌根菌と樹木の健康 岡部 宏秋((独)森林総合研究所微生物生態研究室長)
     
 
目 次
1.はじめに
2.菌根の種類と構造
3.菌根菌の種類と特徴
 1)AM菌
 2)外生菌根菌
 3)その他の菌根菌
4.菌根の成立
 1)菌根化のみちすじ
 2)菌根化の条件
 3)菌根化による根系の変化
5.菌根菌の生態機能
 1)菌根圏の微生物社会
 2)菌根菌の生存戦略
 3)菌根菌による植物根系の連結
 4)菌根菌の遷移
 5)菌根菌と土壌動物
 6)菌根と水環境
6.菌根菌と物質の動態
 1)炭素
 2)窒素
 3)リン
7.おわりに
 
   
  ■ 樹木の分類 濱野 周泰(東京農業大学環境科学部助教授)  
     
  生物は、近似の度合いにより段階的にまとめられる。→分類群の階級  
 
  個体 → 集団 → 生物型 → 種 → 属 → 科 →・・・
 a. 個体:1本、1株
 b. 集団:似た個体の集まり
 c. 生物型(biotype):
   ある特徴(生活型、繁殖型、生育型、葉面積階級)を持つ集団
 d. 種:分類群の基本単位
 e. 属:類似性のある種の集まり
 f. 科:類縁関係のある属の集団
例:[1本のヤマザクラの個体]→[似た個体の集まり]→[ある特徴を持つ集団]→[ヤマザクラ(種)]→[ウメ、モモ、ヤマザクラ等のサクラ属]→[バラ属、キイチゴ属等(バラ亜科)、ナシ属、ナナカマド属(ナシ亜科)、サクラ属(サクラ亜科)、シモツケ属等(シモツケ亜科)を含むバラ科]→[バラ科、ユキノシタ科(アジサイ属等)、マメ科(ネムノキ属等)などを含むバラ目]→・・・
ヤマザクラ
ヤマザクラ
 
  ■ 植栽基盤の調査・判定・整備工法について 長谷川 秀三(ジオグリーンテック(株)代表取締役)
   
 植栽基盤は植物が順調に育つための地盤であり、一般に図7に示す「土層構造」や「土の性質」を有していることが必要である。以下の3項目が整備されるよう設計することが重要であると言える。
(1)有効土層が「厚さ」と「広がり」のある構造であること。
(2)有効土層の「下層地盤の排水」が良好な構造であること。
(3)植物に無害で、「適度な空気、水、養分」を含んだ性質の土であること。
 
図7目標となる植栽基盤の模式断面図
 
 
図7 目標となる植栽基盤の模式断面図
   
 
土壌断面の観察 こんなに大きな穴を掘ります
土壌断面の観察
こんなに大きな穴を掘ります
   
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