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進行中の変化に加えて、科学者が一番懸念しているのは未来のことである。長期予報は、二酸化炭素や地球の周りを回る循環パターン等を考慮に入れる数学モデルを使っている。結局、色々なモデルがあって多種多様な予報を生み出している。しかしながら、デューク大学の森林生態学者ジェームス・クラーク氏は次のように語る。「気温の評価方法を見い出す技術という点で、気象学界側から科学者に対する信頼度が高まって来ている。」
それでも、科学者は一連の可能性を示すことができるに過ぎない。地球の気象変化に関するホワイトハウス・イニシアチブによれば「最新の気象モデルは、次の世紀に地球の気温が摂氏で約35゜上昇するであろうと予測している。」とのことである。全国査定統合チーム:National
Assessment Synthesis Team は、気温は平均して5〜10゜C上昇する可能性があるとの報告を発表しようとしているところである。地域によっては他より暑い所もあるであろうが、ピークの気温が大きく揺れ動くことはありそうにない。ピークの気温を論じるにあたって、マローン氏はこう語る。「数字が数度以上変わることはないと思う。平均より2〜3度変動がある程度ではないか。」 二酸化炭素が蓄積するにつれて、降水量パターンも変わるであろう。大部分のモデルが、雨量が5〜20%増加すると予測している。気温が上昇したように、雨量の増加も今に始まったことではない。地球の気候変動に関するホワイトハウス・イニシアチブによれば「今世紀の初めから、合衆国における降水量は約6%増え、同時に一日当り2インチ(約5p)以上の豪雨の頻度が20%増加した」ということである。にもかかわらず、多くのモデルが、特に南東部のような特定の地域における干ばつ状態を予測している。雨が多過ぎるか少な過ぎるか、いずれにしても、森林をおびやかすことになる。湿った状況は燃料の売り込みにつながるかもしれないし、干ばつは火災を引き起こしたり、樹木を枯死させたりし得る。 この変動する気候は、樹木にどのような影響を与えるのであろうか?二酸化炭素を使って糖分を作ることができるので、二酸化炭素が増えるということは植物の成長を促進するということになり得る。同様に、生物学的プロセスの大部分は、気温の上昇に従って加速するので未来の気候は樹木の成長を早めることができるということになる。科学者は部屋に幼樹を入れて、二酸化炭素の量を増やすということをやっているが、確かに木の成長は早い。しかしながら、クラーク氏は「植物は順応して、早く成長した分は、短期間で帳消しになることも起こり得る」と言う。 現実の森林に対する二酸化炭素の影響について実験するために、デューク大学の研究者らは、あるテーダマツ林でこのガスを50%増やした。木の成長率は数年間増加し、続いて次第に減っていった。研究者の一人ラム・オーランはこう付け加える。「このような短期間に得られる反応の一体どこまでが我々の実験結果と言えるのか完全に確信しているわけではない。二酸化炭素の気圧を上げて、システムを多少ひねって、反応を観察する。 つづく |
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