「マツ枯らしの犯行グループ」はマツノザイセンチュウとマツノマダラカミキリ

 マツ材線虫病発生のなぞをといてみましょう。
 
 病気発生の犯人はマツノザイセンチュウです。
 しかし、この1ミリにも満たないマツノザイセンチュウは、足も羽もなく、病気の樹からまわりの健康な樹に移ることはできません。
 ではどうして伝染病のようにひろがることができるのでしょうか、実はこのマツノザイセンチュウを樹から樹へ運ぶ共犯者がいるのです。それがマツノマダラカミキリです。
マツノザイセンチュウ ©秋庭
 マツノザイセンチュウはマツノマダラカミキリに運んでもらい、マツの樹体内で繁殖しマツを病気にします。マツノマダラカミキリは樹脂(松やに)の出なくなった病気のマツに卵を産みます。卵からふ化したマツノマダラカミキリ幼虫は、マツの枝や幹の樹皮の下の栄養のある部分を餌にします。
 
  マツノザイセンチュウとマツノマダラカミキリは、お互いに助け合いながら利益を分け合う、「マツ枯らしの犯行グループ」なのです。
マツノマダラカミキリ ©吉田
 
 
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