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マツ材線虫病の発生メカニズム マツノマダラカミキリの産卵痕、後食痕、脱出孔 マツ材線虫病の診断 | |||
マツノマダラカミキリの産卵痕、後食痕、脱出孔 | |||
解説文は「松保護士の手引き」から引用。 |
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産卵痕 | |||||
写真:原口志津夫(松保護士) |
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産卵時期は成虫の羽化脱出消長と関係し、暖かい地方では6月上旬から始まり、最盛期は7月下旬で10月まで続く。東北地方では7月下旬から始まり、8月中旬が最盛期で10月まで続く。 雌は産卵に際し粗皮に5mm位の横長の噛み傷、いわゆる産卵痕を幹の長軸に直交して作る(写真1)。この行動は産卵加工と呼ばれ、幹が直立していても倒れていても変わらない。加工が終わると直ちに180度反転し、噛み傷の中央に下方から産卵管を挿入して内樹皮に卵を1個産みつけるが(写真2)、まれに2、3個のこともある。また、産卵加工なしに産卵管を挿入しただけの産卵痕がみられることもある。産卵痕に必ず産卵されているわけではなく、産卵痕に対する実産卵率はおよそ50〜70%であった。粗皮の厚い幹の下部では、すり鉢状の深い産卵痕を見かけることがあるが、粗皮の厚い箇所より薄くなる力枝の下付近から上部に多い。 |
内樹皮に産み付けられた卵 | ||||
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後食痕 | |||||
写真:原口志津夫(松保護士) |
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成虫の摂食を後食あるいは成熟食という。 移動分散期に比べこの時期は摂食することが主な活動となる。この時期の移動範囲は比較的狭く、定着後食期ということができる。後食量は日齢によって変化し、気温の影響を受ける。1頭が1日に後食する量は普通面積で表し、かじられた枝樹皮の長さと幅を測定し、一定の係数を乗じて算出できる。枝の太さや樹皮の厚さが関係するが普通0.6〜0.8程度の値となる。実面積は平均1〜3cm2であった。気温が上昇すると後食行動は活発になるが上限があり、15℃以下では停止する。 成虫1頭が1日に摂食する後食量(面積)は気温、成虫の日齢、性、年枝によって異なるが、脱出後20日間の産卵前期間の成虫では約40〜60cm2である。 |
脱出孔 | ||||||
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蛹室内新成虫の期間は地域や温度によって異なるが、5月でほぼ10日間程度である。新成虫として材内に留まったあと、蛹室の辺材部とそれに接する粗皮を自ら真円形にかみ切って脱出孔をつくり脱出する。脱出時のマツノマダラカミキリ成虫には硬い材や粗皮をかみ切るだけの強靱で硬い大顎が備わっている。脱出孔はランダムに分布することが多く、直径2cm以下の枝には見かけない。 |