(財)日本緑化センターは、松林保護を進めるため9月28・29日の両日、秋田県において実践講座を開催しました。2日間の講座には、現在まだ被害発生の確認がされていない青森県を含め、全国から松保護士、市町村防除担当者、森林組合職員など96名の方々が参加され熱心に研修されました。
 
秋田県森林整備課 石黒課長
 
 1日目は、13:00〜17:00までホテルメトロポリタン秋田を会場として、秋田県森林整備課石黒課長の来賓挨拶に続き、秋田県立大学小林教授の基調講演「秋田県における松枯れの現状と対策〜秋田方式について」、秋田県森林整備課千葉主査の「松くい虫専門調査員制度について」、森林総合研究所東北支所中村主任研究員の「東北地方におけるマツ材線虫病の特徴:防除実務者の皆さんに知っておいていただきたいこと」、さらに、千葉大学本山教授の特別講演「薬剤散布の環境中の動態と生態影響について」を拝聴しました。
 2日目は、潟上市の夕日の松原に会場を移し、9:00〜15:00まで2グループに分かれ、秋田県森林組合連合会の高橋(松保護士)、佐々木(秋田県松くい虫専門調査員)両氏をインストラクターとして、

1)

当年松枯れ被害木の目視調査
2) 被害木の伐倒、マツノマダラカミキリ産卵痕・幼虫の確認、マツノザイセンチュウ検出の材片採取とベールマン法の解説
3) 「潜在感染木」の有無確認のための枯死木半径15m以内における松脂滲出調査
4) 伐倒くん蒸処理およびチッパーによる破砕処理のデモンストレーションと実習
5) アカゲラねぐら用巣箱の組み立てと設置
隣接する秋田県自治研修所に移動して、
6) 顕微鏡によるマツノザイセンチュウ確認、マツノマダラカミキリ成虫の観察(小林教授提供)
7) 質疑応答(コーディネーター小林教授)
を行い、講座修了証を交付して全日程を終了しました。
快晴に恵まれ、県森林整備課、県森連の全面的なご支援を頂き、密度の高い実習となり、参加者の皆様には十分な研修の機会となったことと思います。多くの皆様のご参加を賜り、かつ地元関係者のご協力に心からお礼申し上げます。
 なお、講座開催には次の関係機関のご協力を頂きました。
後援: 林野庁、秋田県、全国森林組合連合会、秋田県森林組合連合会、
(社)ゴルファーの緑化促進協力会