松原再生ハンドブック−生態系の保全・再生−
この冊子は、当センターが、宝くじの普及宣伝事業として作成した冊子です
2011年1月 (財)日本緑化センター作成 非売品
A5版 カラー80ページ
松原は海側から砂浜、砂丘、そこに広がる海浜植生、マツ林によって構成され、各々のゾーンを生活の場としているいろいろな生き物がいます。わが国の海岸は人工の改変されていない自然海岸が海岸線全体のおよそ半分(53.1%、17,414km、1996・97年)あるのですが、1978年から20年あまりで1,300km減少し、自然海岸などに依存する生き物の場所が狭められつつあります。
この小冊子は、1部「松原の生態系」、2部「松原生態系の保全技術」、3部「松原の再生技術」、そして4部「松原の生態を学ぶ」の構成により、松原生態系の保全と再生を考えるヒントを提供するものです。
これまで作成した「松原の生き物発見」(2008年)、「松原の生き物百科」(2010年)は、小学校高学年向けとして大変ご好評をいただいていますが、今回は一般の人や環境教育に従事する人を対象に完結編をまとめました。皆様に松原を身近なものと感じ、気軽に散策していただくことを意図して作成したものです。松原へ足を運ぶ機会にはこの小冊子をたずさえてお出かけ下さい。松原の中で営まれている生き物の活動と出会う喜びを体験していただければ幸いです。
1 松原の生態系
砂浜の生態系/ 海浜植生の生態系/ 海岸マツ林の生態系
2 松原生態系の保全技術
砂浜生態系の保全技術/ 海浜植生の保全技術/松原でのキツツキ類(アカゲラ)の保全技術
/ウミガメ産卵環境の保全
3 松原の再生技術
天然下種更新/ マツ材線虫病に対する抵抗性品種について/広葉樹の管理
・海岸林における広葉樹の現状と課題
・ニセアカシアの駆除
・広葉樹による防災林造成
4 松原の生態を学ぶ
砂浜の生態を学ぶ/海浜植生の生態を学ぶ/海岸マツ林の生態を学ぶ
TOPICS
・砂浜海岸におけるスナガニは指標生物
・河口部汽水域のヨシ原、海岸の後背林に生息するアカテガニ
・海浜植物帯の砂の中に営巣するイソコモリグモ
・砂浜海岸におけるニッポンハナダカバチは自然教育の生きた教材
・マツ枯れとニホンリスの生息